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若いヒトの血に含まれる蛋白質が高齢者を若返らせる

「若いヒトの血に含まれるタンパク質の1つによって、加齢マウスの脳機能を改善することができる」という論文が世界最高の科学雑誌Natureに掲載されました。

 

これまでに、若いマウスの血液を高齢マウスに輸血すると、海馬が活性化し記憶力がよみがえり、脳血管の血流も増加。

 

この結果を受けて、空間記憶テストを実施したところ、輸血前に比べ成績が飛躍的に向上することを発見しました。また、別の研究グループは、若いマウスの血液が年老いたマウスの筋肉・心臓・脳の機能を改善する作用を発見しました。注目すべきは2点。

 

一つは蛋白質には脳の若返り効果があること、もう一つは加齢に伴う記憶力や筋機能や代謝の低下、骨構造の劣化といった症状を、「若い血」の注入によって改善できることです。

こうなると当然の疑問がでてきますよね。

 

「若い人の血に含まれる蛋白質で人は若返るのか?」

 

カリフォルニア州モントレーに拠点を置くスタートアップ企業Ambrosia社は、臨床実験ではあるものの、8,000ドルで35歳以上の希望者に若者の輸血を行うプログラムを計画しているそうです。同社は16~25歳の若者から採血した血液を週に1回、4週間に渡って輸血するプログラムを600人の被験者に対して行う計画ですが、問題はこの臨床試験にはプラセボを試す対照群が存在しないため、若返り効果を判別することは不可能に近いと考えられます。

 

ですが、若返りビジネスには必ず大金が流れます。

Ambrosia社に限らず、アルツハイマーの疑いのある患者に若者からの血液を投与する臨床実験を他企業が行うなど、輸血によるアンチエイジングが、医療ビジネスにおける潮流になりつつあります。アンチエイジング、健康に関する情報の中には、真実も嘘もたくさんあり、その嘘で大きな損失をすることがあります。

 

真実を見極める科学者の目が必要になってきますね。